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  • 執筆者の写真Osugi music instruments

フレット擦り合わせ、交換のタイミングとは?

更新日:2019年12月5日


こんばんは。Osugi music instrumentsの大杉です。

今回は最近ご質問頂く事の多いフレット擦り合わせと交換のタイミングついて取り上げていきたいと思います。

まず、「フレット擦り合わせ」、「フレット交換」とは何か?を簡単にご説明させて頂きます。

フレット擦り合わせ

押弦やチョーキング等の弦との接触によって摩耗して、高さにバラつきが出ているフレットを削り、高さを揃える事。

フレット交換

打ち込んであるフレットを引き抜いて、指板面の歪みを削り修正した後、新しいフレットを打ち込む事。

簡単に説明するとこんな感じですかね。


それでは本題、それぞれどんな状態のときに行うのが良いのか?行う必要があるのか?のタイミングについて解説していきます。

擦り合わせを行うタイミングとは?

リペアマンによって考え方も様々あるかと思いますが、私が擦り合わせをご提案させて頂くタイミングは演奏に支障が出てきた時です。

頻繁に押さえたり、チョーキングするポジションが摩耗して、押弦した場所の隣のフレットに干渉してビビりが発生したり、部分摩耗してエクボが出来ていてチョーキングの際に引っかかり等が発生してしまうような時に擦り合わせをご提案させて頂いています。

フレット交換のタイミングは?

私がフレット交換が必要と判断しご提案させて頂くタイミングはズバリ

「押弦した際に弦が指板に触れてしまうようになった時」です。

リペアマンによって基準は様々あると思いますが、今まで修理させて頂いた中で指板に弦が当たると押さえづらさ、チョーキングのしづらさを感じる方が非常に多く、擦り合わせをしてビビりは解消されても演奏面が犠牲になってしまうのを考慮して、上記をご提案させて頂く基準としています。

感覚的にはエレキ弾きの方であればチョーキングの時に指板に指の当たる面が増えて抵抗感が強かったり、アコギ弾きの方であればしっかり力を入れないとちゃんとした音が出づらい等の状況がイメージし易いかも知れません。

もちろんフレット低くても平気!と言う方や、ご予算の都合で擦り合わせで処置可能な限界まで交換せずに使いたい!と言う方もいらっしゃいますので、当工房ではお客様とご相談しながら修理内容を決めていきます。

よくビンテージで指板がえぐれていたり、塗装が剥がれている指板のギターを見かけた事があるかと思いますが、あれは押弦時に弦や指が指板に当たっている状況で使い続けた結果なんですよね。貫禄があってカッコイイですよね。


フレット交換 交換前

こちらはFender Telecasterです。ビビりが出てしまうという事でご相談頂いたのですが、フレットが摩耗して頂点が無くなり面になっていました。3弦部分は特に摩耗が激しく弦を抑えると指板に指と弦が当たる状況でしたので交換させて頂きました。


フレット交換 交換後

交換後がこちらです。フレットの幅はオリジナル同様に細いのですが、今後フレット交換するまでのサイクルが長くなるように背の高いフレットを打たせて頂きました。

製作時はフレットを打ってから指板の塗装をするのが一般的ですが、フレットと指板の入り隅周辺に塗料が溜まり、塗膜の厚み+αフレットの高さを無駄にしてしまうので、塗装してからフレットを打ち込んでいます。作業する立場からすると、塗装後にフレットを打つ方が大変なのですが、少しでも交換サイクルを長くして提供したいという思いからこの方法を取らせて頂いています。勿論交換後に塗装するパターンでも対応していますのでお気軽にご相談下さい。


最後に

擦り合わせと交換のタイミングについて触れてきましたが如何でしたか?

分かりにくい部分もあったかも知れませんが、参考にして頂けますと幸いです。


大杉

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